バトルブログ第10回: 強烈な魅力を放つ、真実に裏付けられたストーリーの誕生
ncornelius
2011-10-31
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『バトルフィールド 3』は、DICEにとってストーリーを語る新たな手法となりました。 今回のブログは、リードデザイナーのDavid Goldfarb氏本人によるブログです。単なる「素晴らしさ」よりも、「恐ろしさ」や「信ぴょう性」を前面に押し出し、圧倒的な魅力を放つシングルプレイヤーキャンペーン。同氏がその制作哲学を語ります。お楽しみください。
『バトルフィールド 3』の数ある素晴らしい要素の中で、特に最も誇りに思っているものを一つ選ぶとすると、それはゲームの「Tone(基調、トーン)」だと思う。
トーンとは、雰囲気であり、スタイルであり、フィーリングでもある。これこそ映画「ダークナイト」が素晴らしい作品であるのに対し、60年代の「バットマン」はそうではない理由だ。「プライベート・ライアン」と、「OK捕虜収容所」の違いもここにある。トーンは、上手に扱えば全体的な効果を上げてくれる要素の一つだ。我々は『バトルフィールド 3』のシングルプライヤーのストーリーで、この「トーン」を中心軸に据え、新しいものを生み出そうと試みた。
『バトルフィールド 3』は、シリーズの過去の作品より「今」という時代に沿った現実や出来事を反映している。我々は、戦争、そして戦争の持つ意味合いを全て描き出そうと努めた。現代の兵士が使うスラングも出来るだけ忠実に再現している。また、緊張感を高める通路や突発的に発生する銃撃戦などをバランス良く組み込んだ。 特に配慮したのは、ゲーマーが説得力のある真に迫った体験を続けられるようにすることだ。ゲーマーが信ぴょう性を疑った瞬間、他のシューターと同じようなゲームに甘んじてしまうからだ。
"我々は、戦争、そして戦争の持つ意味合いを全て描き出そうとした"
我々は『バトルフィールド:バッドカンパニー』、『バッドカンパニー2』の制作を心底から楽しんできた。これらの作品はとても面白く、独自のテーマをもち、また軽いノリの作品だった。本質的にはアドベンチャー映画だ。インディ・ジョーンズにアサルトライフルを持たせたようなものだと言えるだろう。しかし『バトルフィールド 3』では、こういったキャラクターやテーマと別れを告げなければならないことが分かっていた。舞台を変え、やり方も変えて、全く新しい工夫をする必要があった。今回語るのは戦争のストーリーだ。真実味に溢れ、今という時代を反映し、これまで試さなかった、あるいは試すためのツールがなかった物事や感情に、がっちりと結びつく必要があった。
『バトルフィールド 3』の非直線的なストーリーは「額縁」物語の手法で構成されており、最近世界を震撼させた事件の尋問を受けている、米国海軍二等軍曹「ブラック」ことブラックバーンによって語られる。 プレイヤーが実際にプレイするのは、PLRとして知られる新しい脅威に対抗し、世界中で合同軍事作戦に参加することになったブラックの回想録だ。
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とことん真に迫ってーキャラクターが『バトルフィールド 3』の鍵となる。
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DICEのゲームで特徴的なのは、キャラクターを重視することだ。バッドカンパニーでもこの考えは守られていたし、今回もそうだ。キャラクターを厳しい状況におき、質問を投げつける。『バトルフィールド 3』ではキャラクターに、「国のために本当に何をするのか」と問いかけた。米国海軍のブラックバーンの答えは、他のキャラクターの答えとは異なるかもしれないし、同じかもしれない。我々はスタッフも参加させ、感情に根ざした選択が求められるような状況に立たせてみた。全てのキャラクターをプレイし、実際に彼らの状況や彼らが持つ手段を体験することで、強烈で、感情を揺り動かし、ユーザーを没入させるようなシングルプレイヤーキャンペーンが実現できた。
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我々が作ったのは、過去の作品とは全く異なるものだ。恐ろしく、また、スケールもドラマ性も群を抜いている。トーンはより身近なものになり、同時に、より厳しく生々しいものになった。ただその根底にある価値観ー戦友や出会った人々、そして仲間のプレイヤーを大事にする気持ちーは、今回も貫かれていると思う。
David Goldfarb シングルプレイヤー担当リードライター&リードデザイナー
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『バトルフィールド 3』の詳細情報は公式サイトをご覧ください。
Frostbite 2ゲームエンジンの詳細は、『バトルフィールド 3』サイトのFrostbite 2のセクションをご覧ください。
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