シムシティ アップデート :ルーシーからの回答
Maxis SVP ルーシー・ブラッドショー
2013-03-22
『シムシティ』をプレイ中の皆さんをお邪魔して誠に恐縮ではありますが、この度「なぜシムシティは常時接続のみで、オフラインで遊べないのか」というトピックについて率直にお答えしたいと思います。.
「常時接続」は過去の『シムシティ』になかった大きな変化です。これは会社の方針でそうなったわけでも、プレイヤーを管理する極秘の戦略でもありません。今回の『シムシティ』開発に不可欠な要素だったからです。初期段階から、我々はマルチプレイヤーを念頭に本作を開発しました。プレイヤー同士が地域の中で繋がるビジョンを実現するため、新しい技術を取り入れ、グローバルで、絶え間なく変化し、ソーシャルな現実世界のダイナミズムを再現した『シムシティ』を目指したのです。
我々は活発で行動の結果が反映される都市をプレイヤーの皆さんに味わってもらうため、多大な努力を注いで、シミュレーションやグラフィックエンジンが今まで行われなかった細かな部分へ対応するようにしました。また、地域プレイやソーシャル機能をサポートするため、革新的な方法でサーバーを利用し、シミュレーションにクラウド技術を導入しています。以下はその一例です。
全てのプレイヤーに対して、地域のシミュレーションを最新の状況に常時アップデートしています。一人でプレイ中も、世界を共有している都市同士が相互に与えた影響を、最新の状況に常時アップデートしています。
各分野で都市を最大まで「特化」させたい場合、サービスや資源、あるいは労働力を周辺都市から供給して貰えます。他の都市の発展に伴って、他の都市のリソースを利用できます。
「偉業」を達成するには、地域内に存在する複数の都市が貢献しなければなりません。常時接続サービスにより、プレイヤーの貢献は常時アップデートされ、「偉業」が前進します。
世界規模のチャレンジ、イベント、ランキング、実績など、あらゆるソーシャル機能で、全ての都市を最新状況にアップデートするサービスが利用されます。
プレイヤー間の「贈り物」は、弊社のサーバーで処理されます。
「グローバルマーケット」を常時アップデートし、重要な資源への需要を常に反映させて、動的な需要・供給モデルに基づく貿易を可能にしています。
各都市の景観もアップデートされます。他のプレイヤーの都市を訪れた際、都市は最新の状況を反映した景観になっています。
地域プレイ、ランキング、チャレンジ、実績に応じたボーナスおよびステータスの整合性を保つため、セーブされた全ての都市が正当なものかチェックします。
クラウドサーバーを利用したセーブや、どのPCからでも簡単にアクセス可能な点も、常時接続が持つアドバンテージの1つです。職場でも自宅でも、どこからでも本作をプレイして、簡単に都市作りを楽しめます。
プレイヤーのほとんどは都市が互いに接続した状態で本作をプレイされていますが、中には複数の都市を自分で運営し、一人でプレイされているプレイヤーもいます。しかし、一人でプレイする場合もマルチプレイヤーで楽しむ場合も、互いに接続した都市の作成をお楽しみいただけます。そして「常時接続」は、複数の地域やサーバーにまたがって楽しめる、次世代のソーシャル機能にとって基盤となるものです。
本作の発売開始は、我々にとってほんの始まりに過ぎません。これは完成形でなく、絶えず進化し続けます。様々な意味で、我々は「MMO」を生み出したのです。
さて、オフラインモードを組み込むことは可能だったのか否か? 答えはイエスです。しかし、目指すべきビジョンにそぐわないため、そうしたアイデアは採用しませんでした。我々が目指したのは、これまでの『シムシティ』と同じ「独立した単一の都市」ではありません。従来のシムシティを愛し、そうした機能を求めるファンがいることは理解しています。しかしながら、複数の地域にまたがるプレイ、貿易、コミュニケーションなど、「常時接続」機能を気に入ったという声も数多く届いています。今回の『シムシティ』は、シリーズの素晴らしい伝統を引き継ぎながらも、進化し続ける技術に呼応した作品なのです。
最後に、共に本作の発売を迎えて下さった皆さんに深く感謝を申し上げます。現在、数え切れないほどの都市がオンラインで作られ、共有されています。皆さんが作り出す都市に、ただただ感心させられるばかりです。『シムシティ』は特別なプレイヤーコミュニティを持つ、特別なゲームであり、その一員であることを我々は誇りに思います。
以上