ゲームプレイの応答性に関するアップデート (2020年11月)
コネクションモニタリング、EA接続品質レポート、マイアミの新たなFGDC。
ピッチノート
2020年11月17日
皆さん、こんにちは。
Joel Doonanです。私はFIFA Liveという組織のPlayer First Operationsチームでリードプロデューサーを務めています。
本題に入る前に、このような状況下で皆さまが無事に過ごされていることを願っております。心より皆さまとご家族の安全を祈るばかりです。
FIFA開発チームによる オンラインゲームプレイの応答性に関する取り組みについて 、最後に触れてから数か月が経ちました。以前説明した通り、これは最も優先すべき課題です。
ざっくりと言えば、私たちの仕事は社内インフラ、および社外教育・情報の2分野に集中しています。今日は以下の新機能に関する最新情報をお届けいたします。
インフラ:
- マイアミの新たなFIFAゲームデータセンター(FGDC)
情報/教育:
- コネクションモニタリング
- 接続品質レポート
さっそく本題に入りましょう。
今回のまとめ:
- 新たなFGDCがフロリダ州マイアミで稼働中です。
- 米国南東部のほか、南米北部や中米のプレイヤーの体験を改善することを目的としています。
- 「FIFA 21」で、コネクションモニタリングが使用可能になりました。
- 詳細については こちら をご覧ください。
- 接続品質レポートはパブリックベータ版としてご利用可能です。
インフラ
今日は、フロリダ州マイアミにおける新たなFGDCの稼働開始を正式発表いたします。これにより米国南東部のプレイヤーにも改善が見込みまれますが、このFGDCを追加した第一の目的は、南米北部や中米のプレイヤーのために役立てることにあります。
なぜ南米北部や中米のプレイヤーのために米国にFGDCを追加するのか?その問いに答えるため、前回のFGDCに関するピッチノートを振り返ってみましょう。その記事では、 新たなFGDCの追加場所を検討するプロセスに加えて、論理的に最適と思われる場所が必ずしもプレイヤーに最高の体験をもたらすわけではないことをご説明しました。記事の中で、地域内のインターネットのルート選択の問題により、メキシコシティのFGDCよりも、ダラスのFGDCの方がメキシコシティの数多くのプレイヤーにより良い接続品質体験をもたらしている例をご紹介しています。
そうして南米北部や中米のプレイヤーに目を向けた時、調査の結果、彼らは物理的に近いブラジルやメキシコシティのFGDCよりも、米国のFGDCに送られることの方が多いと判明しました。さらに調査を進めると、南米北部や中米からのトラフィックはまずマイアミに向かって直接送信されることが多く、結果として米国のFGDCでありながら、そういった地域のプレイヤーに最速の接続を提供していたことがわかったのです。
これはちょっとした難題をもたらしました。南米北部や中米などの様々な場所にFGDCを設置しても、多くのプレイヤーはこういった場所ではなく米国に接続する方を好み、こういった地域内のプレイヤーへの恩恵が制限されると思っていたからです。
そのためこの時点で最も適切な解決策は、マイアミにFGDCを設置することだと判断しました。そこが南米北部および中米から送られてくるトラフィックの最初の着地点だったからです。
この新たなFGDCによって、南米北部や中米のプレイヤーの体験が改善されると考えていますが、今後も引き続き、全プレイヤーの体験を改善する方法を模索し、検討していくつもりです。
情報/教育
これまでのところ、オンラインゲームプレイの応答性に関する取り組みはほとんどインフラ分野に集中しています。信頼性の高い、安定したFIFAゲームデータセンターを世界中に設置することは、プレイヤーのオンラインゲームプレイの応答性に影響する1つの要素ですが、プレイヤー個人のネットワーク設定も重要です。そのため、接続品質に関する情報や、それがオンラインゲームプレイの応答性に与える影響、並びにその改善方法に関する教育を提供することがきわめて重要だと考えています。一部のプレイヤーにとって、これはオンラインゲームプレイ体験を改善するうえで大きなファクターとなり、インフラの変更があまり変化をもたらさないような状況下ではより顕著にになります。
こうした取り組みを支えるため、「FIFA 21」の接続品質について学ぶ手段を2つご用意しています。
コネクションモニタリング
「FIFA 20」のサイクル中、最初のステップとして一定数のプレイヤーのゲームにコネクションモニタリング機能を追加することを発表しました。こうすることで、全プレイヤーに向けてアップデートを行う前に、機能デザインへのアップデートを検討・改善することができます。これは有益で無駄のないアップデートを目指したためです。ここまでこれたのも、これらのテストに参加してフィードバックを提供してくださった皆さまのおかげです。
私たちはこの機能が全プレイヤーの使用に耐えうるものとなり、ゲーム内でこの機能が利用可能になったことを嬉しく思います。
コネクションモニタリングはFGDC上で「FIFA 21」のマッチをプレイする際、プレイヤーが接続品質をよくモニタリングし、理解できるようにするためのものです。これまで、プレイヤーはマッチ前にpingを確認できましたが、ネットワークをモニタリングする補助ツールがない限り、試合中のpingや影響を与えうる接続品質メトリクスをチェックすることはできませんでした。この機能により、プレイヤーはマッチ中の接続品質がどの時点で大きく変化したかを知ることができます。
コネクションモニタリングはゲーム設定メニューの表示設定内にあり、いくつかのオプションが用意されています。
Pingのみ - FGDC上でマッチをプレイする際、pingの往復時間がミリ秒単位で画面上に常に表示されます。この数値は、試合中毎秒更新されます。
接続インジケータのみ - FGDCでプレイする際、一定の接続品質閾値に達した場合、マッチ中に表示されるアイコンを有効化します。アイコンの詳細は以下をご確認ください。
Ping & 接続インジケータ (初期設定) - 上記の設定の両方を有効化します。
オフ - 上記の設定の両方を無効にします。
接続インジケータのアイコンは以下の事態が発生した場合、ゲーム内でプレイヤーに警告するものです:3種類のコア接続品質メトリクス(ping、パケットロス、ジッタ)のいずれか1つが体験に影響を及ぼすレベルに達する。
この機能のライブテストに参加したプレイヤーによって明らかになった点の1つは、プレイヤーが報告したping、パケットロス、ジッタの値がプレイヤーごとに大きく異なっていたということです。結果として、アイコンに厳しい閾値を設定しました。黄色のアイコンは高いスキルを持つプレイヤーやコアなプレイヤーの期待を反映する閾値を表示し、赤色のアイコンはよりカジュアルなプレイヤーの期待を反映する閾値を表示します。
それでは、各アイコン、関連する接続品質メトリック、現在の閾値(この値以上の時、アイコンが表示されます)を見てみましょう。フィードバックに基づき調整を加えていく中で、ここに表示されている閾値は変更される可能性があります。
高Ping:Pingの値が高い時、このアイコンが表示されます。PingやPingが接続品質やゲームプレイに及ぼす影響については、Pingに関する記事を参照してください。
黄色のアイコンの閾値:60ms
赤色のアイコンの閾値:125ms
パケットロス:影響を及ぼしうるパケットロスの発生時、このアイコンが表示されます。パケットロスやパケットロスが接続品質やゲームプレイ体験に及ぼす影響については、パケットロスに関する記事を参照してください。
黄色のアイコンの閾値:過去3秒間に4ゲームデータパケットが喪失
赤色のアイコンの閾値:過去3秒間に5ゲームデータパケットが喪失
ジッタ:ジッタが発生し、短時間のうちにpingが突然大きく変化した場合、このアイコンが表示されます。ジッタやジッタが接続品質やゲーム体験に及ぼす影響については、ジッタに関する記事をご参照ください。
黄色のアイコンの閾値:30ms
赤色のアイコンの閾値:50ms
アイコンがマッチ中に表示された場合、ゲーム内ではこのように見えます。見ての通り、アイコンは画面上部に表示されます。
「FIFA 21」のコネクションモニタリングの詳細については、こちらの EAヘルプ記事をご確認ください。
接続品質レポート
上述のコネクションモニタリング機能の実装に伴い、プレイヤーはマッチ中の接続品質をよりよく理解できるようになりました。ただ、これだけで終わりたくありませんでした。プレイヤーが「FIFA 21」における自身の接続品質や、その地域内の他のプレイヤーの接続品質を全体的に把握することは非常に重要です。その地域で実現可能な接続品質のレベルがわかるからです。
これを支援するため、私たちは EA接続品質レポートのパブリックベータ版を導入いたします。
* 注: 上記の写真は表現目的のためのものであり、特定のISPに関する勧告のためのものではありません。
接続品質レポートとは何か?
ざっくり言えば、接続品質レポートはプレイした「FIFA 21」のオンラインマッチのデータを使用して、プレイヤーが接続の品質をよく理解するためのツールです。
これは以下のデータを大量に表示します:
- 「FIFA 21」の自身の接続品質に関するデータ。新たな接続スコアメトリックによって簡略化されたもので、「FIFA 21」のオンラインマッチのping、パケットロス、ジッタの値で構成されます。
- ISPの「FIFA 21」接続品質メトリクスおよび接続スコアに関するデータ。
- 地域内の他のISP、および「FIFA 21」接続品質メトリクスや接続スコアに関するデータ。
このサイトには接続品質に関する教育や、ご自身の接続を改善する方法を示した様々な問題解決の手順が含まれます。
どのようにプレイヤーの役に立つのか?
前回の ピッチノートでは、FIFAゲームデータセンターを新たに追加する際、プロセスの指針としてどのようにデータを使用しているかを説明しました。またそのデータによって、プレイヤーに最高のオンラインプレイ体験をもたらすと予想される接続品質メトリクス閾値に達していないプレイヤーがどこにいるかもわかります。
このデータを参照すると、同じ地域に住む他の平均的なプレイヤーはそういった接続品質閾値に達しているのに、ご自身は達していないといった状況のプレイヤーが大勢いることがわかります。要するに、自身の接続に変更を加えることで、接続品質やオンラインゲームプレイ体験を改善できるかもしれないプレイヤーが世界中に数多く存在するということです。
そういったプレイヤーの助けとなるため、このツールを使用して、ご自身の接続を最大限に活用できているかを理解するための情報をプレイヤーに提供したいのです。そのためには、その地域内で同じISPを使用している、他の平均的な「FIFA 21」プレイヤーのように閾値に達する方法を理解する、あるいはその地域内の様々なISPの「FIFA 21」接続品質メトリクスを比較する必要があります。鍵となるのは情報です。だからこそプレイヤーにできるだけ多くの情報を提供したいと考えました。
重要な点として、先ほど触れたコネクションモニタリング機能と接続品質レポートには固有の繋がりがあります。コネクションモニタリングのアイコンに使用する閾値の多くは、ツール内で接続品質を分類するために使用する閾値と同じものです。主な違いは、このツールは1回のマッチに目を向けるのではなく、プレイヤーの接続品質を全体的に見るということです。
接続品質レポートを使用するには?
接続品質レポートにアクセスするには こちらをクリックしてください。自身または自身の地域のデータを閲覧するには、サイトにログインする必要がありますのでご注意ください。
まずは FAQ/ガイド を読んでから、接続品質レポートを確認することをお勧めします。ツールの機能やそれで何ができるかなど、より詳しく説明してあります。
接続品質レポートの今後は?
先述のように、サイトは現在パブリックベータ版としてご利用いただけます。プレイヤーの皆さまからの フィードバック をもとに、可能な限りツールのアップデートや改善を行いたいと考えています。ツールに関する今後のニュースは @EAFIFADirect にて公開予定です。
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今回は以上です。この記事で説明した変更と追加について、私たちはとてもワクワクしています。全プレイヤーのために、引き続きオンラインゲームプレイの応答性の改善に取り組んでいきます。
先ほど述べた通り、たくさんの要素がプレイヤーの接続に影響しており、究極的にはオンラインマッチ中のゲームプレイの応答性もその影響を受けます。FIFAコミュニティの全プレイヤーのゲーム体験を向上させることが私たちの目標です。
コミュニティからの継続的な支援、情熱、建設的な批判やご意見に感謝いたします。私たちチームにとって、これほど多くの人々をひとつにするゲームの開発にかかわれることは幸せな限りです。
Joel Doonan & FIFA Liveチーム
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開発チームのメンバーによるFIFAの解説は、ピッチノートのページでご確認ください。
注: この記事は開発チームの取り組みについて解説したものです。皆さまのゲームプレイ体験を改善するために引き続き取り組んでいくため、今後ゲームに調整を加えた場合、この記事の内容が当てはまらなくなる可能性があります。
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