この25年間、チームは人生の多くの可能性を反映するような奥が深く、考えさせる、本物の体験を作り出すことに情熱を注いできました(あったらいいなと思うようなちょっとした空想の可能性も追及してきました)。ですが、人生とはとても大きなものだということがわかってきました。だからこそ私たちは、「The Sims」のユニバースを、プレイヤーコミュニティを表現するようなストーリーテリングのプラットフォームになるよう拡大するために、新コンテンツや機能を導入し続けています。
今なお続く25周年記念の一環として、私たちはチームメンバーにインタビューをして、「The Sims」のチームに加わってから最も大きな意味を持つプロジェクトについて聞き、彼らのユニークな視点が、過去25年間にわたって追加し続けてきた機能やアップデートの方向性にどのような影響を与えたのかを探りました。チームの新顔の1人、エクスペリエンスデザイナーのAllie Wyattが、「The Sims」での人生の体験について教えてくれました。
「The Sims」でのあなたの最初の役割は? それから、その後どのように変化しましたか?
エクスペリエンスデザイナーです。2024年10月からキャリアを始めたので、ここで働いたのは1年とちょっとだけです。これまでにこなしてきた役割には大きな変化はありませんが、知識や学んだこと、ここに来てからどれだけ成長したかには大きな変化がありました。
以前はゲーム業界とはまったく関係ない仕事をしていました。福祉向けのウェブプラットフォームのWeb UX/UIデザイナーで、教育関連もやりました。ですが、ゲーム業界で働くのが究極の夢で、「夢に向かって頑張らなきゃ。やってみよう。変化を起こすんだ」という心境に至りました。実は「The Sims」に加わるために何回かチャレンジして、とうとう達成しました。私の名前がやってくるのを見て、みんなうんざりしたかもしれません(笑)。でもようやく役割を掴みました。自分のキャリアにおいて大きな転換点でもあり、とても素晴らしいものでもありました。
実は「シムピープル」からプレイしていたので、「The Sims」に関わることをずっと目標に据えていました。「The Sims」と一緒に育ったんです。このゲームはずっと私の人生の一部で、そばにある情熱でもありました。なので、「The Sims」が大好きだったので、ここで働くことにとてもこだわりました。「The Sims」のゲームのなかで、私は常にアーティストとしてプレイしてきました。そして今ここに「The Sims」のためにアーティストとして働いている――運命の輪がつながった気がします!
最初に取り組んだのは何ですか?
ここで初めて取り組んだのは、「Life & Death Expansion Pack」です。正直に言うと完全に怖気づいていたんですが、素晴らしいサポートシステムがありました。同僚たちが一歩一歩共に歩んでくれました。経営陣も素晴らしくて、背中を押してもらいました。「ゲーム業界が初めてなのは知っているよ、ゲームエンジンにいろいろ組み込むのが初めてなのも知っている。日々学んで、素晴らしい仕事をしているよ。あなたならできる」という雰囲気がありました。皆とても親切で、そのおかげでやり遂げることができました。もし皆のサポートがなければ、萎縮してしまっていたと思います。
今まで取り組んできた中で、一番大きな意味があったものは何ですか? その理由は?
自分にとって特に際立っているのは、「Life & Death Expansion Pack」の「魂の旅」、別名「やることリスト」と「やり残した仕事」です。私にとって重要なことは2つありました。まず、ゲーム業界に足を踏み入れたばかりの自分にとって、これは一般に公開されて多くの人々の目に触れる最初の大きな内容で、私にとって大きな意味がありました。それに加えて、生きているシムだけでなく、シムが死んだ後にも物語を作り出せるようになると感じました。「やることリスト」は、本当にシムの経験に合致し、これまでシムたちでやったことがないような新しいアイディアを生み出すのに役立ちました。
自分の役割の一環として、私はプレイヤーと一緒になってテストを行い、テーマや拡張パックに対するフィーリングを測定することをしています。このようなセッションを実施するプレイヤーエクスペリエンスチームと、ペアを組むことがよくあります。そしてこのテーマは、プレイヤーの皆さんにとって難しいものであり、ストレスフルなものになることを認識していたので、かなり早期から開始しました。開発中はリーダーから指導を受けて、あまりダークになりすぎないようにしました。というのも、最初からダークなテーマだったので、「どうやってゲームの不気味な面を維持しつつ、同時に面白くすればいいんだろう?」と考えていましたから。開発中、プレイヤーの興味をずっと測定し続けて、リーダーからのフィードバックなどを受け、最終的にかなりバランスが取れたものに仕上がったと思います。
あなたの個人的な体験は、どのように仕事に関係していますか?
「The Sims」と育つというのは面白いもので、人生で奇妙だったり面白かったり馬鹿げているような個人的な経験を、ある意味楽しめるようになりました。そうした人生の彩りはあるべき場所に戻って、今ではここでの仕事を通じてそうした出来事を鮮やかな色で彩色したいと思っています。「Life & Death Expansion Pack」のUIアートを作るのは本当に楽しかったです。生者の側には色鮮やかなグラデーションを、死者の側にはちょっとダークで不気味な感じにしたものを追加しました。自分の「色」を出すことができました。きれいな彩りやグラデーションをあらゆるものに取り込むことが大好きなので。
Maxisにとって、プレイヤーが「The Sims」で自分を表現できることは、どれだけ重要ですか?
何よりも重要です。ゲームの中でいろいろなことができる――そのことが、想像力やインスピレーションがあれば、どんなバックグラウンドを持っている人でも、「The Sims」の内でもゲームの外でも素晴らしいことを成し遂げられることをわからせてくれます。ゲームの中で自分が物事を成し遂げているのを見ると、「うん、私ならできる。自分のシムができるんだ、私だってできる」という気分になります。
パックが発売されるときはそれについての「コメントを読まないように」と繰り返し助言されましたが、「Life & Death」が発売されたとき、初めてのパックだったので、たまらず検索してしまいました。そしてプレイヤーの皆さんがパックをどのようにプレイしているかを見て、嬉しい驚きを感じました。例えば、嘆きの儀式、葬儀の機能などでは、ゲーム内で亡くなった父親に別れの言葉を告げられたことで心が軽くなったというコメントを見ました。それは非常に大きな意味があることで、重いテーマを扱いながら前向きなことを生み出せたと感じました。プレイヤーの皆さんは、この主題を大いに楽しんでくれたと思います。