• 「The Sims」の25周年を祝おう:Shaine Korman 「The Sims」の25周年を記念して、ゲームの舞台裏を支えるチームが、大きな影響のあったアップデートを振り返ります。

    この25年間、チームは人生の多くの可能性を反映するような奥が深く、考えさせる、本物の体験を作り出すことに情熱を注いできました(あったらいいなと思うようなちょっとした空想の可能性も追及してきました)。ですが、人生とはとても大きなものだということがわかってきました。だからこそ私たちは、「The Sims」のユニバースを、プレイヤーコミュニティを表現するようなストーリーテリングのプラットフォームになるよう拡大するために、新コンテンツや機能を導入し続けています。 

    今なお続く25周年記念の一環として、私たちはチームメンバーにインタビューをして、「The Sims」のチームに加わってから最も大きな意味を持つプロジェクトについて聞き、彼らのユニークな視点が、過去25年間にわたって追加し続けてきた機能やアップデートの方向性にどのような影響を与えたのかを探りました。本日は、テクニカルディレクター兼シニアソフトウェアエンジニアであるShaine Kormanが、どういった経緯を辿って「 ザ・シムズ3」のビデオゲーム開発者を目指していた頃から、実際に「The Sims 」そのものの制作に関わるまでに至ったのか教えてくれます。

    The Sims」でのあなたの最初の役割は? それから、その後どのように変化しましたか?

    私の現在の肩書はシニアソフトウェアエンジニアですが、実を言うと今はテクニカルディレクターのグループと一緒に仕事をしています。なので、ゲームのクレジットには「テクニカルディレクター」としての記載があります。ちょっと分かりにくいですよね。(笑)

    私は大学2年生の時に、パスファインダーのインターン生として「The Sims 4 」に関わり始めました。私は「 The Sims 4」のゲームプレイ・エンジニアリングのチームにいました。当時は、「Cats and Dogs Expansion Pack」をしていましたね。その後、フルタイムでチームに加わる前にもう一度ゲームプレイ・エンジニアリングでのインターンシップをしました。とても幸運なことにインターンシップは上手く行きました。関わったチームも本当に素晴らしかったです。すごく楽しいのは製品だけじゃないことを発見できて、嬉しかったです。チームもすごくインスピレーションを与えてくれるし、才能豊かです。 

    ゲームプレイ・エンジニアとして多数のパックを制作しました。その後、ゲームプレイのリードエンジニアとして「Lovestruck Expansion Pack」に携わりました。やがて、私はゲームプレイのリードエンジニアから、テクニカルディレクターへと転身しました。最初のインターンシップは2017年で、2019年にフルタイムの職務に就いたので、現時点で約5年半ほどフルタイムの仕事をしています。でも実は、とても幼い頃に違うEAゲームのベータテストをしたことがあるんです。当時は報酬としてゲーム作品を一つ選べたのですが、私は「The Sims 2: Castaway」にしました。自分でも「でしょうね」と思いますが、もちろん「The Sims」シリーズの作品を選びましたよ。(笑)そんな幼い頃から、ある意味EAで働いていたんです。

    最初に取り組んだのは何ですか?

    私が最初に携わったのは、ペットを脱走させる機能でした。そのパックの中で最も悲しい機能でしたよ。でもその機能が、その後私が制作したすべてのパックの雰囲気を決定付けたと思います。この数年間で、結構ワイルドな機能に取り組みましたので。 一番最初に携わった機能はとても悲しいものでしたが、ひとつに纏まったストーリーという感じでもあったので、とても楽しくて意味のある仕事だったなと思えたんですよね。ペットが脱走して、携帯電話に迷子のペットのお知らせを投稿しなくてはいけなくなり、その後ペットが無事に帰って来て、心温まる再会があるんです。とても楽しんで作ることができました。

    今まで取り組んできた中で、一番大きな意味があったものは何ですか? その理由は?

    実は、この質問に対していくつかの答えがあります。一番記憶に残っている機能、そして最も誇りに思っているものは、「Cottage Living Expansion Pack」だと思います。そのパックで私は、池のツールを制作しました。それまでプレイヤーたちはプリセットの池の形を使わなくてはいけませんでしたが、池のツールを使って思うがままに池を作り、釣りができるようになりました。プレイヤーがどんなことをしても、池の見た目を良く保ち、その上でちゃんと機能するようにしなくてはいけなかったので、アニメーションの観点からしてとても難しかったです。この機能は、プレイヤーたちに多大な創造性を与えること、そしてしっかりしたパフォーマンスとアニメーションでそれを支えられること、この二つの点が深く交差するものでした。最終的に、すべてが非常に上手く纏まったと思います。

    取り組んだ機能の中でもう一つ印象に残っているのは、体毛ですね。何故なら、ゲームに必要とされている表現を加えたと思うからです。「The Sims 3」にはあった機能でしたが、「The Sims 4」では当時まだ加えられていませんでした。コミュニティからの大きな要望であったことを覚えています。なので、その機能に取り組めたこと、そして毎日現実世界で私が見かける人々のような見た目をしたシムを目の当たりにできることをとても楽しく思いました。プレイヤーからの反応を見た時も、本当にやりがいを感じることができました。予告トレーラーであらゆる人が注目していた機能だったので、それを制作した人間として非常に素晴らしい気分になりました。プレイヤーをワクワクさせるコンテンツを追加できるのは、本当に特別なことです。自分がしている仕事が大切で意義のあるものだと感じさせてくれます。

    あなたの個人的な体験は、どのように仕事に関係していますか?

    面白いことに、私がどんなパックを制作していても、必ず自分の実生活とのつながりが生まれるんですよね。例えば「Cats & Dogs Expansion Pack」を制作していた際、私は両親が飼っていた犬と多くの時間を共有していました。たまに犬が脱走してしまい、「わっ、ヤバい!」ってなることもありました。「私は今、仕事してるのかな…それとも、これが現実世界?」みたいな感じになりました。もう一つ思い出せること、それは私が大学を卒業した直後に「Discover University Expansion Pack」を制作したことですね。「また大学に戻って来ちゃったよ」と思いました。さまざまな機能を実装する中で、個人的な経験を基にして制作を行う、というのは多々ありましたね。

    もう一つ言えること、それはゲーム製作に携わり始めた時、元々「シムズ」のプレイヤーだった私はこのゲームにどんなコンテンツが含まれていたのか既に分かっていたので、有利なスタートを切ることができた、ということです。エンジニアリングの観点からして、さまざまな機能がどう互いに関連しているか理解できていることは、とても役に立つことです。私自身プレイヤーとして、掲げている大きなゴールがあります。それは、プレイヤーたちに没頭し続けてもらい、「自分のストーリーが纏まり始めてる」とか「わぁ、このシム、私にそっくり」とか「建築した家が素晴らしい出来になった」という感じの、私が子供の頃にこのゲームをプレイして経験した特別な瞬間を持つ、印象深い体験を与えることです。

    Maxisにとって、プレイヤーが「The Sims」で自分を表現できることは、どれだけ重要ですか?

    非常に重要であると思います。私やプレイヤーコミュニティの大半が「The Sims」に惹かれる理由は、このゲームが人生をプレイする方法の一つだからだと思います。そう思いませんか?現実世界ではやれる機会が必ずしも得られないことを、色々と試すことができるんです。夢を追ったり、新しい趣味を始める自分の姿を見ることができるんです。「The Sims」で家を建築したことをきっかけに建築家になった人々の話を数多く聞いています。

    このゲームは、さまざまな人生を歩み、さまざまなキャラクターになり、さまざまな物語を体験できる、砂場です。しかも、それを多種多様な角度から楽しむことができます。「The Sims」で私は自分のオフィスを再現することができます。その行動は特別で意義があり、他のゲームではできないことです。 自分の人生にあるそういった側面を見れることや自分が発揮した想像力を画面上で見れること、それは心を動かす、ユニークな体験です。

    ザ・シムズ3」にもっと包括性を持たせるためにいくつかのステップを取りましたが、「The Sims 4」でそれをさらに多くできたという事実が、プレイヤーに多大な選択肢を与えると思います。そういう意味では、プレイヤーたちが自分自身を本当に表現できるようになり、今に至るまでは叶わなかった精密さを持ち、ゲーム内で自分の姿を見ることができるようになったと思います。

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