今年6月に行われたEA PLAYのステージで彼を見た方もいるでしょう。Dennis BrännvallはEA DICEの「Star Wars™ バトルフロント™」チームの中核メンバーとして何年も活躍してきました。現在、Dennisはシリーズのデザインディレクターとして、ゲームプレイからユーザーインターフェース、そしてプレイヤーインタラクションまで、「Star Wars™ バトルフロント™ II」のあらゆるデザインの責任を担っています。
このインタビューではDennisに彼の経歴、ゲームデザインに対する考え、現在も続く「Star Wars バトルフロント II」の開発について語ってもらい、EA DICEの制作の舞台裏をご紹介します。
Dennisと「Star Wars™ バトルフロント™」との関わり
「私は2015年にリリースされた最初の『バトルフロント』からこのシリーズに携わっています。プロジェクトの初期段階から参加してレベルやゲームモード、主にウォーカーアサルトのデザインを担当していました。それから発売に合わせてゲームの管理を任されるようになり、発売後にリリースされた4つのDLCの開発を率いることになりました」とDennisは言います。
「それが終わると、子供が生まれたので少し休みを取りました」
育児休暇から復帰すると、Dennisはすぐに続編の開発に戻りました。デザインの方向性の指示を追加で出し、「Star Wars バトルフロント II」の発売に向けて、さらに規模が拡大したチームを率いることになりました。
「現在は、『スター・ウォーズ』の大ファンである、素晴らしい才能を持ったデザイナーたちと一緒に働いています。 ゲーム内に組み込めそうな面白いことについて考える一方で、コミュニティからのフィードバックにもとづいて機能やゲームプレイの改善点について考えたり、私たち自身が何を追加して何を改善すべきかについて考えています」
追加要素および改善点についての考え方
現在進行中のゲーム開発においてコミュニティからのフィードバックは不可欠ですが、何を追加すべきかについては他にもいくつか考慮すべき点があります。
「追加しようとしてるコンテンツが、その時点において進行中のテーマにぴったり当てはまることもあります。たとえば、ルーカスフィルムと事前に話をして、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ではケッセルの鉱山からコアキシウムのカートが運び出されるシーンがあることを聞きました」
この情報を受けて、また、『バトルフロント(2015)』のエクストラクションモードはプレイヤーに人気だったことから、開発チームはエクストラクションモードをリニューアルして『バトルフロント II』の『ハン・ソロ』シーズンに追加するのがいいだろうと考えました
「イウォーク・ハントについては、私が常に初期の『バトルフロント』ゲームにあった懐かしいモードをやりたいと考えていたことがきっかけでした。当時のルールセットは先進的なものではありませんでしたが、ハントモードは常に注目されていて、『スター・ウォーズ』らしさが感じられるものでした。また、開発チームとコミュニティの両方が、もっと気軽に楽しめる何かを求めているとも感じていました」とDennisは言います。
「言うまでもなく、ヒーローvs.ヴィランは人気のモードです。しかし、コミュニティのフィードバックでは、非常に混沌としてハイペースになることがあり、戦術性や戦略性が失われているという意見も寄せられていました」
そのような意見に答えるべく、より親近感が持ててスローペースなヒーロー・ショーダウンがリリースされました。
「結果として大成功となり、両方のモードで十分なプレイヤー人口を維持できています。素晴らしいことですね!」
時には、埋めなければいけない空白が存在することもあります。ヒーロー・スターファイターのレベルアップを容易にすることが求められていたので、7月のアップデートでヒーロー・スターファイターを追加しました。「これによって、ヨーダのジェダイ・インターセプターなど、自分の好きなヒーローの戦闘機をレベルアップするチャンスが拡大します」とDennisは言います。
また、DennisがEA PLAYで発表した新しい大規模マルチプレイヤーのサンドボックス体験は、指揮所を確保することに焦点を当てており、主力艦の破壊を開発中で、ノンリニアで壮大な『スター・ウォーズ』バトルの可能性が開けます。
彼は最後にこう締めくくりました。「つまり、ゲームに何かを追加するには、あらゆることを少しずつ考慮する必要があるんです」
デザインディレクターの仕事に役立ったコンペティティブ・ゲーミング
DennisがEA DICEで最初に担当したのは「バトルフィールド 4」とその拡張パックの開発でした。しかし、さらに時間を巻き戻すと、Dennisはボードゲームのミニチュア・ウォーゲームとコンペティティブ・ゲーミングで長い経験を積んでいました。
「私はコンペティティブ・ゲーミングに夢中になりながら育ちました。初期の様々なFPSをやり込んで競技に参加していました。当時はまだ『eスポーツ』という言葉が存在していませんでしたが、それでもランキングやトーナメントで競い合っていたんです」とDennisは言います。
当時は現在の競技シーンに見られるような高額の賞金がかかることはありませんでした。「いくつかパソコンの交換用パーツが貰えましたね。まだまだ黎明期だったんです」
特にFPSジャンルにおいては、ゲームデザインにおける公平性がとても重要になるとDennisは指摘します。これは彼が持つ初期の「eスポーツ」体験が、現在の日々の仕事に活かされている好例です。
「ハイレベルなコンペティティブ・ゲーミング経験から、バランス調整の重要性や、対戦の際に不公平だと感じさせないことの重要性が分かります」
ゲームを面白くする技術
「その一方で、私はボードゲームやテーブルトップRPGの長年のファンでした。十代前半の頃からプレイしていたんです。今でも熱心にプレイしています。いつもパソコンの画面の前に座ってデジタルな世界で働いているので、時にはアナログな何かをプレイすることが、いい気分転換になるんです」とDennisは言います。
「これら両方の経験を持っていたことが、私のゲームデザイナーとしての仕事に大きな影響を与えていると思います。ボードゲームやテーブルトップRPGはビジュアルに頼らないメカニクスとルールセットが中心になります。そのため、グラフィックスにとらわれることなく、何がゲームを面白くしてくれるのかを理解するのに役に立つんです。、 、 だって、グラフィックが存在しませんからね!」
プロのデザイナーと聞いて最初に思い浮かぶのは、見た目に美しい何かをつくる仕事かもしれません。しかし、ウェブデザイナーが素敵な見た目のウェブページをつくるのとは対照的に、ゲームデザイナーはゲームを面白くするものは何なのかについて考えます。
「私の専門に関して言えば、私はビジュアルとは縁のないデザイナーです。ゲーム開発チーム内の役割は時を経るごとに明らかに進化しています。元々はプログラマーとアーティストだけで成り立っていましたが、現在はゲームに確固としたメカニクスが備わっているかどうかや、プレイして楽しいかどうか、チーム間で上手く協力できているかどうかを確認する人物が必要になります」とDennisは言います。
「ゲームデザイナーと言われる人たちが、ゲーム開発において非常に重要な役割を占めるようになったんです」
Dennisのインタビューのパート1は以上です。パート2は8月13日月曜日にリリースを予定しています。次回はDennisが「Star Wars バトルフロント II」の開発で記憶に残っている瞬間と、ゲームデザイナーを目指す人たちへのアドバイスについて語ってくれますのでお楽しみに。
–Daniel Steinholtz(TwitterでDanielをフォロー@dsteinholtz)
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