「The Sims」の25周年を祝おう:Santiago Salcedo
「The Sims」の25周年を記念して、ゲームの舞台裏を支えるチームが、大きな影響のあったアップデートを振り返ります。

この25年間、チームは人生の多くの可能性を反映するような奥が深く、考えさせる、本物の体験を作り出すことに情熱を注いできました(あったらいいなと思うようなちょっとした空想の可能性も追及してきました)。ですが、人生とはとても大きなものだということがわかってきました。だからこそ私たちは、「The Sims」のユニバースを、プレイヤーコミュニティを表現するようなストーリーテリングのプラットフォームになるよう拡大するために、新コンテンツや機能を導入し続けています。
今なお続く25周年記念の一環として、私たちはチームメンバーにインタビューをして、「The Sims」のチームに加わってから最も大きな意味を持つプロジェクトについて聞き、彼らのユニークな視点が、過去25年間にわたって追加し続けてきた機能やアップデートの方向性にどのような影響を与えたのかを探りました。今回は、シニアゲームデザイナーのSantiago Salcedoに、家族のダイナミクスと「サボり」の起源について伺います。

「The Sims」でのあなたの最初の役割は? それから、その後どのように変化しましたか?
2021年にシニアゲームデザイナーとして参加しました。ここにいる間、私の肩書きは変わっていませんが、責任は変わり、進化しました。デザインのメンターシップに関わったり、デザインのプロセスや標準を設定したり、システムのベストプラクティスを定義したり、などですね。また、私はゲームパックのデザイナーとして加わり、その後より大きなプロジェクトである拡張パックへと移行しました。
「The Sims」のために働きたいと思ったのは、ただのゲーム以上のものだからです――ストーリーテリングのプラットフォームであり、自己表現の媒体でもあります。本当にたくさんの人々に、非常に大きな影響を与えます。それに、面白いですし!なので、単純明快な選択でしたね。それから、「The Sims」は人生についてのゲームです。ベネズエラ人として、私は文化的な観点から違った視点を提供できます。これを「The Sims」にも反映させたいと思いました。
最初に取り組んだのは何ですか?
「The Sims 4」の「Werewolves」の、デザイン序盤で参加しました。最初の一歩として最高のプロジェクトだったと思いますし、一緒に働くチームも最高でした。私が初めて実際にデザインしたのは、「Werewolves」のリリースでゲーム本編に登場した月の周期のシステムです。

今まで取り組んできた中で、一番大きな意味があったものは何ですか? その理由は?
「The Sims 4」の多くの機能に関わってきましたから、1つだけ選ぶのは難しいですね。どれもさまざまな理由で心に残っています。月の周期は、「Werewolves」での最初のデザインでした。カビはこれまで実装してきた機能の中でも一番面白かったです。「Life & Death」のワールドRavenwoodには、心血を注ぎ込みました。ですが最終的には、一番大きな意味があるのは、「Growing Together Expansion Pack」の家族のダイナミクスだと思います。特に、「ジョークチーム」の家族のダイナミクスでシムがお互いに及ぼす影響です。
家族のダイナミクスは、Lakshmiから受け継いだ機能です(ありがとう!)。ですが、当時あった制約から、このデザインにコンテンツを追加し調整できる余地がありました。この状況から生まれたのが「ジョークチーム」のダイナミクスです。これは、同じ部屋に一緒にいると真剣ではいられない、私と娘の家族のダイナミクスを反映したものです。もし「The Sims」のように現実世界でもバフが目に見えたなら、娘と私には常に「サボり」がついているでしょうね――ジョークチームがお互いに話すと獲得する、目に見えるバフです。この機能で、プレイヤーは現実にありそうな(もしくはなさそうな)家族の関係についてストーリーを語れるようになりました。
あなたの個人的な体験は、どのように仕事に関係していますか?
仕事をする上で役に立つ個人的な体験はいくつかありますが、これらが一番影響のあるものだと思います。(1)親であること。先に述べたジョークチームのダイナミクスや、親密さのダイナミクスなど、ゲーム内にできる限り反映しています。(2)ベネズエラ人であること。私は人生の40年間をベネズエラで過ごしてきました。私の文化はあらゆる点で違っていて、「The Sims」や仕事にさまざまな別の視点を持つことができます。(3)子どもが多い環境で育ったこと。ベネズエラにいる私の家族は幼稚園を経営していて、それは私の家の一部でもあるので、文字通り幼稚園で育ちました。そのため、できるときはいつでも、子供にとって前向きなゲームプレイを追加しています。どれだけのプレイヤーがご存知かは知りませんが、Ravenwoodにいる意地悪で怖いゴーストのエディスは、親切なこともあるんですよ――むしろ、子供のシムとして近づくと意地悪さが少なかったりします!

Maxisにとって、プレイヤーが「The Sims」で自分を表現できることは、どれだけ重要ですか?
「The Sims」はとても特別なゲームだと思います。言ったとおり、これはただのゲーム以上のものです――ストーリーテリングのプラットフォームであり、自己表現の媒体でもあります。公共の場でオープンに自己表現するのが難しいような環境に住んでいる場合、特に重要です。「The Sims 4」では、本当になりたい自分になれる。このことは、プレイヤーには非常に大きな影響があると思います。ここで働いていることをこの上なく誇りに思います。
