バトルブログ第1回: Lars Gustavsson氏が語る『バトルフィールド 3』におけるDICEの新たなマルチプレイヤーの概念
voctavia
2011-10-05
バトルブログ第1回目にようこそ!今回の連載では、『バトルフィールド 3』発売まで、皆さんに史上最大のシューターゲームの情報をお届けします。第1回目の今回は、主任マルチプレイヤーデザイナーのLars Gustavsson氏と一緒にマルチプレイヤーの概念について語ります。
『バトルフィールド 3』のマルチプレイヤー担当の主任デザイナーに任命された時、Lars Gustavsson氏の思いを巡らせたのは、2005年に発売された先行ゲームとなる 『バトルフィールド 2』 のファン達でした。しかし同時にGustavsson氏は、より幅広い層にゲームを展開する時が来ていることも確信していました。
こんにちは、Lars! まずあなたとチームで設定した、『バトルフィールド 3』のマルチプレイヤーに対するデザインのゴールから聞かせてくれませんか?
一番考えたのは『バトルフィールド 2』のことですね。そしてこれがどう『バトルフィールド 3』に繋がっていくのかを考えました。『バトルフィールド 2』を開発した時、DICEの考え方は「DICEのやり方でゲームをプレイしろ、いやなら他のゲームに行ってくれ」といった調子でした。今回は意図的にその考え方を逆転させたのです。『バトルフィールド 3』で設定したゴールは幅広いゲームプレイ体験を提供すること、また誰もが楽しめるものにすることです。 プレイの仕方をこちらから規定するのではなく、プレイヤーがこれを選べるようにしたのです。
具体的には?
一つはゲームモード、そしてプレイ環境の多様性です。『バトルフィールド 2』でファンを虜にした広大な戦場から、タイトなゲームプレイが特徴の荒廃した市街地戦マップまで幅広く準備しました。この2つの要素を組み合わせ、障害物やBattlelogのハブといったソーシャル性を同じパッケージに加えたことは、他の誰もまねできないことだと思います。そしてこれを実現させるという仕事は本当にワクワクするものでした!
「DICEのやり方でプレイしろ」という考え方はどこから来て、どう変わったのでしょう?
おそらく、ConquestやRushといったDICE独自のユニークなゲームモードに対する自負から来たのだと思います。もちろん今でも強い誇りは感じてますが、『バトルフィールド 3』を始めるにあたり、率直に私達のスタンスについて議論しました。『バトルフィールド』の強みについても話し合い、その中で面白い議論が出て来ました。例えば、チームプレイは小隊ベースに限定すべきか、あるいはより一般的に意味での協力プレイにするのか?小隊ベースでプレイしないとゲーマーとして格が落ちるのか?チームデスマッチは求められるか?歩兵だけのゲームプレイはやるべきか?このような議論は私達の目を開かせ、自分達自身に対する見方や、『バトルフィールド 3』で実現しようとした内容も変えてくれるものでした
『バトルフィールド 3』はDICEのシリーズ最高傑作になるでしょう。Frostbite 2ゲームエンジンは、壮大なマルチプレイヤーマップの設計を可能にしてくれたばかりでなく、マップの中に全く異なる環境を作り込むことも可能にしてくれました。従来の『バトルフィールド』のマルチプレイヤーマップでは、広大な地形を基盤とし、ここに戦闘用の戦車やヘリ、その他の車両が配置されていました。しかし今回は密集した市街地も戦場として登場し、地方の広大な戦場とは対照的なゲームプレイが用意できました。
今年のE3では、RushモードのマップであるOperation Métroを紹介し、来場者に実際のプレイを体験してもらいました。このマップには、 『バトルフィールド 3』におけるマルチプレイヤーのデザイン概念が様々なかたちで反映されています。Operation Métroが始まるのは、パリ中心地に近接する緑豊かな長い公園です。攻撃隊が前進し敵の2つの拠点を占領すると、一般的なゲームのマルチプレイヤーモードでは終了となりますが、『バトルフィールド 3』ではここからが長い戦いの始まりです。この長い戦いでは、数多くの特徴ある様々な環境の中で戦闘が繰り広げられ、それぞれの戦場で作戦や武器装備の見直しが必要になります。
地下鉄は、RushモードのマップであるOperation Métroの、広大な環境の一つに過ぎません。
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E3でのOperation Métroの説明では、マップの独特なエリアについて述べられています。マップの拡大はこちらをクリック。
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ゲームの最初の舞台となるのは公園です。ここから爆撃を受けた地下鉄の暗いトンネル部分を進み、その後地上に出るとパリ証券取引所の前で最後の市街地戦が展開されます。マップ上の対照的なエリアを跨がるシームレスな流れは、従来のマルチプレイヤーで良く見られる壁に囲まれたようなエリアとは異なる、格段に優れた体験を提供してくれます。 またスケール感では、Operation Métroの各エリアに、本格的なチームデスマッチを体験するのに十分なスペースを確保しました。
チームデスマッチといえば、今回、マルチプレイヤーのメニューにチームデスマッチが復活しました!『バトルフィールド 1942』以来の復活です。Lars Gustavssonの言葉を借りれば「TDMをファンに提供しないのは犯罪行為に等しい。特にFrostbite 2で実現された破壊作戦のシーンやリアルな兵士の動きを考えるとなおさらだ」というところでしょう。プレイヤーが自分のプレイをすることを目標とした『バトルフィールド 3』では、兵士の個性がにじみ出る歩兵同士の接近戦も選択肢に加えています。
DICEでは、伝統的な主力ゲームモードであるConquestとRushを常に誇りにして来ました。これらは『バトルフィールド』が重視するものを正に体現しています。広大なスケール感、チームプレイを主軸にした車両同士の本格的な戦闘などです。しかしこれらのモードだけに特化していては、卓越したチームデスマッチモードが実現する、参加直後からのアクション体験は達成できません。
BFファンの皆さん安心してください!ConquestとRushはこれまでにない美しさを兼ね備え、そろって復活となりました。これらのゲームモードをチームデスマッチで補強することで、さらに『バトルフィールド』のプレイの世界が広がりました。本格的な車両戦から歩兵の接近戦まで、プレイヤーの気分や好みに合わせたプレイが可能です。もちろんこれは、プレイヤーを待ち受ける『バトルフィールド 3』のマルチプレイヤーのフィーチャーのほんの一部に過ぎません。皆さんのプレイを変えるマルチプレイヤーモードやフィーチャーの説明は近日中に公開予定です。
Larsさん、最後に一つ質問です:『バトルフィールド 3』はシリーズ最大のスコープということですが、これと『バトルフィールド 2』の熱狂的ファンが期待するものと、どう折り合いをつけているのですか?
自分の役割は謙虚に受け止めています。『バトルフィールド 2』のファンの皆さんには深い敬意を持っていますし、手を加えるフィーチャーのひとつひとつが彼らが愛して止まないフィーチャーであることも知っています。今回は6年ぶりの新バージョン登場ということで、私自身も非常にワクワクしています。『バトルフィールド 2』でも主任デザイナーでしたが、『バトルフィールド 3』では、真に素晴らしいものを生み出す能力そしてツールがあったと考えています。
バトルブログ第2回もお楽しみに。
『バトルフィールド 3』の詳細情報は公式サイトをご覧ください。
Frostbite 2ゲームエンジンの詳細は、『バトルフィールド 3』サイトのFrostbite 2のセクションをご覧ください。