「Project Rene」こと、次世代の「ザ・シムズ」のプレイテスト
「ザ・シムズ」を進化させたMaxisが、どのように開発プロセスにファンを巻き込んでいるかを紹介します。
私たちMaxisにとっては、コミュニティの皆様がすべてです。「ザ・シムズ™」のファンの皆様は、その創造性、洞察力、そして私たちのゲームに対する情熱で、毎年私たちに驚きを与え続けてくれています。そこで、「 ザ・シムズ 」の次の体験がどんなものになるかを考え始めたとき、私たちはコミュニティが開発プロセスの一部であるべきだという考えました。
「当初から次の『ザ・シムズ 』の方向性がどうであろうと、プレイヤーたちと一緒に歩んでいく気持ちはありました」と、「 ザ・シムズ 」のクリエイティブ担当ヴァイスプレジデント、Lyndsay Pearsonは語ります。「アイデアを生み出すにせよ、コミュニティのフィードバックに反応したり、完成した作品を提供するにせよ、私たちの目指すビジョンをプレイヤーに共有する方法を模索することが重要です」
「プレイヤーから直接いただけるフィードバックは、Maxisにとって最も貴重なツールの一つです」と、プロダクションディレクターのStephanie Callegariは付け加えます。「本作を進化させるのは、プレイヤーにとっても開発チームにとっても大事なことです」
継続的なプレイテスト
その結果、「The Sims」の次回作である「Project Rene」の開発の初期段階で、開発チームはコミュニティのメンバーから意見を集めることにしました。
ゲームディレクターのGrant Rodiekは「2022年の秋、モバイルとPCでのインテリアデザイン、家具のカスタマイズ、共同インテリアデザインを評価する小規模なプライベートプレイテストをリリースしました」と言います。「この様子は『Behind The Sims』のエピソード1で見ることができます」
この「アパートのカスタマイズ」プレイテストは、プロジェクト全体で予定されている要素のほんの一部のみ取り上げましたが、多種多様なシステムがお互いにどう作用するかをテストするために行われました。
「本作のテストが難しいのは、高度なインタラクティブ性とカスタマイズ性が高い点です」とGrantは言います。「シムたちがソファに座ったり、食事を準備したり、踊ったり、友達とお喋りしたり、本を読むことができる必要があります。つまり、ソファやシャツをカスタマイズする際にも、シムの動きや環境も変わるということです。これにより、このプロジェクト全体にとって重要な経験や技術を幅広く試すことができました」
「そして、オブジェクト空間と物理的空間は、私たちとプレヤーが物語を伝える上で重要なツールです」と、Stephanieは語ります。「そのため、私たちがテストした主なイノベーションは、キャラクタークリエイターのような他のクリエイティブな空間に関する決断に役立ちます。テストは一部しか行っていないかもしれませんが、私たちはより全体的なユーザー体験を求めて、インターフェースやクリエイティブツールにアプローチする方法を模索しています」
想定外を想定すること
もちろん、開発初期にテストプレイを実施するには、独自の課題がありました。「私たちは定期的に、8~10人の少人数グループでユーザー体験テストを行っています」と、Lyndsayは言います。「しかし、このように数百人、数千人のプレイヤーに向けた大規模なプレイテストを行うのは、まったく異なる体験でした」
「『Project Rene』は、モバイルとPCの両方でサポートされています」と、Grantは語ります。「これにより、テストの複雑性が大幅に拡大しました。シミュレーション、コミュニケーション、家具やインテリアデザインのクリエイティブツール、服やキャラクターのクリエイティブツール、そして新しいソーシャル体験など、幅広い体験をサポートする必要があります」
「また、パーティーボイスチャットやフレンド検索など、ソーシャル機能を搭載せずに、プレイヤー同士を繋ぐ方法を模索する必要がありました」と、Stephanieは語ります。「プレイヤー同士が実際にお互いを見つけ、一緒にプレイできるようにしなければならなかったからです。さらに、テスターにビルドを提供する方法などについても把握する必要がありました!」
調整を終えたチームは、ついにテストを実行しました。しかし、開発チームが特定のメカニクスのテストに熱心であるのと同時に、このような小規模なテストでは、プレイヤーたちが導いてくれる方向を追うことが重要であることも分かっていました。
「私たちは常にファンと協力的な関係を築いてきましたので、今後もあらゆるプレイテストでもその価値観を大事にします」と、Lyndsayは語ってくれました。「だからこそ、たくさんのフィードバックが届くことも、繰り返し作業があることも、作品に対する新たな期待が生まれることも期待していました。このような考えを持ち、前もって準備をすることで、私たちはオープンに学ぶ心が持てたのかと思います」
「プレイヤーたちの意見に耳を傾ける必要があります」とGrantは言います。「例えば、以前のバージョンのテストでは、プレイヤーが特定のツールを見つけるのに苦労していることが明らかになりました。これは、実は単純にボタンの位置がわかりにくかったからでした。そこで、レイアウトを変更し、より多くの情報を提供したところ、反響が劇的に増加しました。つまり、反復的な作業がとても多いです」
まだ始まりに過ぎない
また、今後もさらに多くのコミュニティプレイテストを継続していく予定です。「Project Rene」は、まだ開発の初期段階にありますが、この初期の段階であっても、得られた教訓は非常に貴重です。
「こうやって最高のゲームを作るのです」とGrantは言います。「プレイヤーと手を取り合って取り組んでいるのです。これは『Project Rene』を本当に特別なものにするのに役立つツールです。しかし!これは非常に長く複雑なプロセスでした」
「アパートのカスタマイズは最初のテストでしたが、これが最後ではありません」と、ステファニーは同意します。「このテストからは、すでに多くのことを学びました。プレイヤーたちと話し合い、フィードバックを素早く得られるのは怖いところもありますが、同時にとてもエキサイティングです」
「プロジェクトを正式リリースする前に多くのことが学べるんです!」と、Lyndsayは言います。「私たちは、プレイヤーたちからすぐにフィードバックを得られているだけでなく、現在のファンたちと未来のプレイヤーたちの両方に向けて、私たちがどうやって作品を作っているかを伝えられる機会でもあります」
「しかし、『Project Rene』に関しては、まだ多くの仕事が残っています」と、Grantは語ります。「シミュレーションやキャラクター、服装のカスタマイズについては、まだ共有していません。新しいバージョンのアパートのカスタマイズやソーシャルプレイの体験も同様です。そういった要素は、すべて徐々に立ち上げ、共有し、テスト、調整、強化、規模の縮小を行っていきます。これらのステップは、プレイヤーの皆様と手を取り合って開発するつもりです」
Maxisチームが取り組んでいる「Project Rene」に関する詳細は、「Behind The Sims」のエピソード2をご覧ください。
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