Need for Speed™ Unbound
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SPEEDHUNTERS™特集:NFSの30年

2024年11月26日

「モスト・ウォンテッド」のM3 GTRが、BMWのレースマシンとして誕生

実存するBMW M3 GTR ’05の写真

1994年以来、ニード・フォー・スピードシリーズは世界中のゲーマーを魅了し、数多のメーカー、モデル、カスタムを各タイトルで発掘してきました。

コスト、希少性、製造年代を度外視して、ニード・フォー・スピードを象徴するマシンを1台選ぶとしたら頭に浮かぶマシンは1台しかありません。そして、それはなぜ2005年のモスト・ウォンテッドのM3 GTRなのでしょうか?

「Need for Speed Unbound」Vol. 9 キーアート

NFSのスクリーンショット - BMW M3 GTR

NFSのスクリーンショット - 警察車両にチェイスされているBMW M3 GTR

ここからが本題です。シリーズに慣れたゲーマーであれば、Hot PursuitのLamborghini Diabloやアンダーグラウンドで有名になったエディーのR34 Skylineが候補に挙がるかもしれません。しかし、シリーズの新規プレイヤーでもベテランプレイヤーでも、象徴的な青とシルバーのカラーリングのBMW M3 GTR ’05を見ればニード・フォー・スピードを連想するでしょう。

BMW M3 GTRの側面図

このマシンが初登場したのはモスト・ウォンテッドで、もう20年近く前になります。モスト・ウォンテッドは間違いなく史上最高峰のレーシングゲームの1つで、2005年時点では真の先駆者的タイトルでした。成功を収め、魅力的、且つ象徴的なM3 GTRはNFS CarbonノーリミットHeatなどにも登場することになりました。

BMW M3 GTRのホイールの接写

BMW M3 GTRのギアスティックの接写

BMW M3 GTRのホイールの接写

ニード・フォー・スピードとの関連性があまりに高いため、Googleで「M3 GTR」と検索すると、75%の検索結果がNFS関連のコンテンツを表示するにまで至っています。NFS x BMWコラボの話に入る前に、M3 GTRがニード・フォー・スピードの外でもどのように特別視されているか説明します。

ショールームのBMWのレーシングカー2台

物語はBMWがE46 M3を発売した2000年に遡ります。BMWとレースシーンは密接に関係しているので当然と言えば当然ですが、E46 M3はヨーロッパの様々なレーシングシリーズで取り上げられ、すぐに成功を収めました。

BMWレーシングカーが他の車と共にレースコースにいる写真

白と青のディティールのBMW E46 M

白と青のディティールを持つ42番のBMW E46 M

M3は同時に米国でも発売されます。世界最大規模の史上ということもあり、米国でもレーシングを流行らせる目論見がありました。しかし、American GTとLe Mansシリーズの競争が激しく、M3の直列6気筒S54モーターはPorscheやChevroletなどのライバルと比較して力不足と考えられていました。

BMW M3 GTRのエンジンの接写

彼らが取った解決策とは?超コンパクトで超軽量のV8を出してきたのです。問題点はあったのか?P60B40 V8は当時のE46 M3に搭載できなかったため、このマシンは生産車ではなくプロトタイプに分類されました。そのため、認証プロセスを通すために公道走行可能なM3 GTRが製造されたのです(ただし、P60B40をわずかにデチューンしたものが搭載されていました)。

BMW M3 GTRのエンジンの接写

面白いことに、このエンジンはBMW M3 GTRのストリートバージョン限定のもので、それ以降どの車にも搭載されていません。

BMW M3 GTRのエンジンの接写

近いうちにSpeedhuntersでM3 GTRの歴史を深掘りする回がありますが、V8を搭載したM3 GTRが圧倒的だったのは間違いありません。2001年には10回レースに出場し、そのうち7回のレースで1位~3位を獲得しています。当然のことながらこれを良く思わない競合がいたため、2002シーズンからは認証に必要な台数が10から100に増加します。これにより、少なくとも米国のレースシーンからM3 GTRは撤退することになりました。

BMW M3 GTRの内装:ステアリングホイール

BMW M3 GTRの内装:ダッシュボード

BMW M3 GTRの内装:ダッシュボードのスイッチ

米国での比較的短いレースキャリアにも関わらず、M3 GTRは世界的に大きな印象を残し、20年以上経った今でも人気のマシンです。この象徴的マシン専用に作られたBMWのウェブサイトでもニード・フォー・スピードでの登場がマシンの評価される理由の一つとして認められています。ここで、私たちは考えました…

BMW M3 GTRの側面図

2024年はニード・フォー・スピードの30周年記念で、最新のVolume 9アップデートではモスト・ウォンテッド風のゲームモードが追加されます。NFSを象徴するマシンを実際に誕生させるには打って付けのタイミングです。

トレードショーでのBMW M3 GTR:サイドビュー

トレードショーでのBMW M3 GTR:バックビュー

今日に至るまでM3 GTRのトリビュートビルドは世界中で生み出されてきたので、今回のマシンは今までに無いものを作る必要がありました。M3 GTRに寄せるだけではなく、本物である必要があったのです。2001年に限られた数しか製造されていない上に、その23年後に同じものを作るのは簡単ではありません。

銀と青のBMW M3 GTR

ありがたいことにBMWにサポートしていただき、奥の手とも言える方法を取ることができました。

#42 チームBMW Motorsport E46 M3 GTR

#42 チームBMW Motorsport E46 M3 GTR:排気系の詳細

#42 チームBMW Motorsport E46 M3 GTR:ステアリングホイールの詳細

これらの写真に写っているのは、2001年にJörg MüllerとJ.J. Lehtoがドライバーとして乗った#42チームBMW Motorsport E46 M3 GTRです。Müllerがドライバーたちをチャンピオンシップに連れていき、BMW Motorsportをチームランキングで優勝に導いたシーズンでALMS GTシリーズで勝利した時のマシンです。

ガレージのBMW M3 GTR

既に深い歴史を持つマシンですが、2024年に新たな1ページを刻むのもいいでしょう。マシンの伝統や遺産が軽視されていないかを不安視する方もいるかと思いますが、ご心配なく。オリジナルのアイデンティティ(ペイント)は踏襲されており、新カラーリングをじっくり見るとそれが分かると思います。

BMW M3 GTRの接写:ボンネット

BMW M3 GTRの接写:バックホイール

BMW M3 GTR:バックビュー

このM3 GTRの理由は?2005年当時、モスト・ウォンテッドのアートワークに影響を与えたであろうM3 GTRだからです。BMWがALMSシリーズから撤退した後もM3 GTRは2005年までヨーロッパでレースを続けていました。それらのマシンはP60を搭載していたものの、ボディワーク、空力、ホイールに調整が加えられていました。

さらに面白いことに、モスト・ウォンテッドのボックスアートではM3 GTRがレースマシン用のBBS RE594ではなくADR M Sportのホイールを履いているのです。しかし、ゲーム内ではBBSレースホイールが使用されています。

BMW M3 GTRの接写

BMW M3 GTRの接写:排気系

BMW M3 GTRの接写:車の正面

BMW M3 GTRの接写:車の背面

BMW M3 GTRの接写:上からのボンネット

これはすべて、BMWとBMW Group Classicの協力なしには実現不可能でした。たとえビニールだけだったとしても、これほど象徴的なレースマシンの改造をお願いするのはかなりの覚悟が必要なことです。しかし、BMWはこの願いを承諾し、ニード・フォー・スピードをM3 GTRの歴史の一部として認めてくれた上に、改造のために倉庫から#42のマシンを出してくれました。

「Need for Speed Unbound」のグレーのBMWレーシングカー

「Need for Speed Unbound」のBMWの白いバイク

カスタムBMW M3 GTR 30th周年記念ラップ

今発表する理由は?ニード・フォー・スピードの30周年ということもありますが、Unbound:Volume 9 - ロックダウンモスト・ウォンテッドからインスピレーションを得ており、Custom M3 GTR ’05に加えてモスト・ウォンテッドに登場したブラックリストのマシンも14台収録しているからです。

周囲にグラフィック要素のあるBMW車

この大型アップデートの詳細はこのリンクをクリックすることで確認できますが、最後にお伝えしたいことが1つだけあります。

ガレージのBMW M3 GTR

これは本物のM3 GTRですが、再び倉庫に戻されるだけでは、ここまでやった意味がありません。そこで、今日から2025年1月初旬までドイツのミュンヘンにあるBMWヴェルトにて、ニード・フォー・スピードを象徴するマシンとして展示されることになります。史上初めて、2005年の懐かしいマシンを実際に見ることができるのです。

BMW M3 GT バックビュー

これは本当に特別なことで、Volume 9のリリースに間に合うよう公開できたのが嬉しい限りです。下のコメント欄にM3 GTRとロックダウンアップデートについての感想などを是非コメントしてください。

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