Meet the Climate Family
第1回!
シムズファンの皆さん、こんにちは!さて、前回のClimateファミリーでは…まだ何も起きていませんでしたね。ファミリーの紹介をしたところで終わってしまいました。つかみにしたって、ひどい話だと思いませんか?というわけで今回から始まります!
第1回:愛には牙がある
収穫祭まであと1週間の日の事…
ママは、やらなきゃいけない事がいっぱいで、もう目が回りそうです。あと少しで収穫祭ですが、準備を整える時間はあまり残されていません。一家は夏に奮発した休暇を取って、面倒なことはみんな忘れて楽しんだわけですが、おかげで、今は人気の長編小説と見紛うくらいにママのやる事リストが伸びてしまいました。
ママは温かいココアをひと啜りします。冷えてきたこの季節に、これを味わうのが大好きなのです。部屋いっぱいに広がるココアの甘い香り。ママの一番好きな季節がやってきました。
さて、リストのてっぺんにあるのは…?パパのいとこ、ヴラディスラウス・ストラウドに収穫祭への招待を伝えること。前に話を交わした時に、 なんだか不気味な感じで、 それ以来連絡を取っていませんでした。 というわけで、先方からの電話は無視し続けて何週間ぶりに、ヴラディスラウスに電話して収穫祭へのお招きを伝えました。お手伝いの手があるに越したことはありません。七面鳥だって勝手には焼けてくれないのです。
なぜだか急に黒い雲が出てきました。…どういうことでしょう?今日はすてきな晴れの日だったのに。
ママは言いました、「パパ、雨が降ってくる前に、落ち葉をきれいにしておいてもらえる?」。
ママの愛する、ちょっと抜けたところのあるパパが、台所で繰り広げていた料理の“実験”をやめて出てきました。
「もちろんさ、ハニー!」。
パパは娘にも声をかけました。サマーは、いつものごとくイラついた様子で足音をドンドンさせています。ちょっとした思春期のご愛敬です。二人は落ち葉かきを始め、ママはやる事リストを片づける作業に戻りました。
収穫祭に向けて仕事がいっぱい。いやはや本当に。素敵なご馳走、恒例の家族行事、そしてヴラドさん。そう…パパのいとこのヴラド。長らくの独身貴族。彼はママとパパに「血色の良い」、「健康な女」を紹介してくれなどと言ってきましたが、何を考えているのでしょう?妙なこだわりがあるようです。Forgotten Hollowの住人というのは、ちょっと…ヘンかもしれません。
ママは、カレンダーの日付にいくつか印を付けました。
- ヴラドを迎える
- 近くのレストランにディナーの予約
- 収穫祭
- 大事な日
「ねえパパ、それって落ち葉を集めてるの?庭中にまき散らしてるみたいに見えるけど…」。
ママはいまやずぶ濡れのパパにニッコリ呼びかけました。本当に忙しいですね。
収穫祭まであと二日…
「まぁヴラドさん、お久しぶり。すごく楽しみにしていました」。ママは(パパの)いとこを迎えました。
「もうちょっとさ…優しく頼むよ…」、パパが耳元でささやきます。
人間の感情など気にも留めないのでしょう、ヴラドはママの口調に込められた嫌味にも反応しませんでした。
「結構」、ヴラドが答えます。「私のお相手だが…。舌を喜ばせるご馳走のような女は用意できたかね?」。
「Willow Creekでは女性をご馳走とは呼びませんけれど…」、ママはひと言はさんで答えました。「でも、 職場の友人のベスもレストランで一緒に食事の予定ですわ」。
「素晴らしい!」、ヴラドは満足げな様子です。「お前もなかなか、良い物を食べているようだ」。
パパが気まずそうに咳ばらいをし、ママとパパは黙って部屋を去りました。サマーが素早くママをつかまえ、何事かと聞いてきますが、ママは質問を禁じ、すぐにディナーに出かける準備をするよう言い付けました。
ママ、パパ、サマー、ヴラドは、レストランで待っていたベスと合流しました。ヴラドは、メニューもすっ飛ばしてベスとの会話を始めています。
「何で彼女の普段の食事にそんなにこだわるのかしら?」、ママがパパに聞きます。「ベスが有機食品を食べているかどうかなんて、どうでもよくない?」。
「健康嗜好なんじゃないか?」、パパはそう答えました。
ママはパパのわき腹を小突き、パパは料理にむせてしまいました。「今、血液型まで聞いたわよ。ぜったいにヘン!」。
「医学に興味があるって言ってなかったかな?」、パパは言いますが、やはり気になるのか声が少し上ずっています。
とはいえ、ディナーは大きなトラブルもなくメニューを消化していきました。ヴラドがカクテルだけを飲んで、食事は「後で取る」と答えたことを除けばですが。
パパが会計を済ませ、皆は店の外へ向かいました。するとベスが唐突に、収穫祭のご馳走会にも顔を出したいと一家に告げます。まさかの申し出にびっくりしつつも、ママ、パパ、サマーは構わないとばかりに頷きました。
ママは答えました。「ええ、 そのくらい、何も問題ないと思うわ」。
そして収穫祭…
ついに収穫祭当日です。カレンダーには“大事な日”とありますが、果たしてその意味とは?サマーは、ママの疲れと、ヴラド叔父さんと過ごす緊張を慮り、進んでご馳走会のテーブルセッティングを買ってでました。焼き立てのパンやこんがりと焼かれた料理の香りが食堂を満たすと同時に、ドアベルが鳴らされます。
瞬く間に玄関にヴラドが姿を現し、 「私が出る」と大きな声で一家に告げました。一家はもう、ヴラドのおかしな行動を理解しようとするのはあきらめていました。
「ベスではないか!」、驚いたように迎えるヴラド。
「だろうと思った」と一家全員が口に出してしまったのも仕方のない事です。
「では散歩に出かけよう!」、ヴラドの気合の入った声が聞こえます。
ご馳走はもうできてるからみんなで食べましょう、そうママが声を上げる間もなく、ヴラドは、同じく積極的な様子のベスと一緒に玄関から出て行ってしまいました。
「彼が戻ってくる事は許しません」、ママは庭にいる二人の姿を見て、静かに宣言しました。
「僕も賛成」とパパもそれに応じます。
「あなたが落ち葉を片付けておいてくれてよかったわ。庭の眺めは素敵よ」。
そう言ったママでしたが、すぐに後悔することになりました。ヴラドとベスが落ち葉の山に埋もれて何やらドタバタし始め、ご馳走どころではない気分になってしまったのです。
わかっていないサマーが、「ねえ、何が起きてるの?」と聞くと…
両親は揃って、「何でもない!」と叫びました。
もう食べましょう、ママは二人に促しました。
ママ、パパ、サマーはテーブルに着き、ご馳走を食べることに集中することにしました。
「サマー、あなたに大事なお話があるの…」、ママが口を開きます。「あなたにはとっても感謝してる。パパも、ママも。それでね、ひとつ大きなニュースがあるのよ」。
「まさかヴラド叔父さんが引っ越してくるとか!?」。
「それはない!!!」、今日はどうやら両親が一緒に叫ぶ日のようです。
「でも、家族が増えるのは本当よ」、ママが続けました。「あなたにね…弟ができるの。赤ちゃんができたのよ」。
サマーの口からは、いつものように気の利いたジョークや鋭い返しが出てきません。サマーは固まって、ママの言葉の意味をゆっくりと考えました。両親は二人とも微笑んでいます。それは、とても暖かい素敵な時間…。
「何かお邪魔したかな?」、ずかずかと家の中に戻ってきたヴラドのひと言で、止まっていた時間はようやく動き始めました。
そして一家は揃って仲良く、「何でもない!」と応えたのでした。笑みを交わす三人。しばらくすれば誰もが知ることになるでしょうが、今だけは三人の秘密です。
「ベスは帰ったよ」、ヴラドが告げました。 「素晴らしい首筋だった。いや、素晴らしい女性だった」。
「…へ、へぇ。ヴラド、七面鳥はどうかな?」、そうパパが反応すると…
ヴラドはこう答えたのです。「たった今、いただいたばかりだ」。
以上、「The Sims 4 Seasons Expansion Pack」(※)の提供で“Climateファミリーに会おう”第1回をお送りしました。本パックはPC・Macで2018年6月22日発売です。その他に、「The Sims 4」、「 The Sims 4 Vampires」(※)、「The Sims™ 4 Parenthood」(※)、「The Sims 4 Dine Out」(※)からのコンテンツも提供に含まれています。いずれも、PC・Mac版をOriginで好評発売中です。
(※1)プレイには「The Sims 4」ゲーム本編(別売)と、すべてのゲームアップデートの適用が必要です。本パックの必要動作環境をご確認ください。