Climateファミリーに会おう
第3回
「The Sims 4 Seasons Expansion Pack」(※)の提供でお送りする“Climateファミリーに会おう”。今回は第3回。「Seasons」拡張パックはPC・Macでただいま好評発売中です。その他に、OriginでPC・Mac版を発売中の「The Sims 4」、「The Sims 4 Spa Day」からのコンテンツも登場します。
前回までをご覧になられていない場合は、第1回、第2回もあわせてご覧ください。
第3回 – ラビットホールに飛び込んで
息を吸って… 息を吐いて… 息を吸って… 息を吐いて…
パパはゆっくりと体重を移動させながら、より難易度の高いポーズにチャレンジしていきました。穏やかに降り続く雨の音が、パパの心を落ち着かせ、日頃の悩みを忘れさせてくれます… おっと、体をギュッと折り曲げた際に出てしまったオナラの音もうまく隠してくれました。
パパはこっそり目を左右に向け、ママに今の下品な音を聞かれていないことを確かめました。気が付かれてしまったら、当分お説教を我慢しなければならないでしょう。サマーも散々にからかってくるに違いありません。ニコラスは…きっと自分のマネをしてヨガでオナラにチャレンジする姿が思い浮かびます。ひとまず安全を確認したパパは、ふたたび呼吸を整え、最後のポーズへと向かいました。ヨガを終えると、パパは東屋から雨の中へと足を踏み出しました。
パパは雨が大好きです。雨の日の落ち着いた香り、雨粒が屋根を叩く音、草木の色を濃くする天からの恵み。
「絵になるなあ。雨の日は哲学にぴったりだ」、なにやら一人で口走っています。
パパは庭を見回り、地面が十分に水を吸い込んで、植物たちの喉が潤されていることを確認しました。雨に濡れるのも気にせず、もう一度、庭全体を見渡したパパの視線は、最後にお気に入りのリンゴの木にたどり着きます。
「パパ、もう戻ってきたら?」、ママがポーチから声をかけてきました。「雨が強くなって来たわ」。
「ああ、すぐに戻るよ!」、パパは答えました。
ヨガの後でまだ瞑想気分のパパは、手を大きく伸ばして空を見上げました。このまま雨をシャワー代わりにしてもいいくらいだ、そんな思いがパパの心をよぎった時…
ゴロッ… ゴロゴロ… ピッシャーン!
雷がパパを直撃して、全身をショックが駆け巡りました。ああ、目の前がかすんで… 意識が朦朧としてきます。まだちょっとだけかかりそうだよ、ママ、そんなことをポーチに向けてつぶやき…
パパは気を失いました。
しばらく後…
パパが目を覚ますと、そこは自宅の庭ではありませんでした。まったく知らない場所です。雨は止み、日が差しています。一面に花が咲き乱れ、風もなく、空気は止まっています。
どこかおかしな世界…。あきらかに普通ではありません。
「ここはどこなんだ!」、パパは大きな声で問いかけました。
何かが素早く動く音を捉えたパパは、すかさず音の方に振り返りました。
「アーサー、こんにちは!」、そこにはシムと変わらない背丈の巨大なバニーが立ち、パパを見下ろしていました。
大きな耳に甲高い声。少し古ぼけた、けれどカラフルな服を身に着け、体を落ち着きなく揺らしています。
「ねぇ、アーサー!だから、こんにちは!」、バニーがもう一度話しかけてきます。「ほら来て!ボクのエッグを見つけてよ!」。
アーサーはゆっくりと立ち上がると、頭を掻き、この状況を説明してくれそうな誰かがいないものかと見渡しました。
「エッグを見つける?」、パパはバニーに尋ねました。
「そうだよ!」、バニーが元気よく答えます。
くるっと後ろを向くと、バニーは進み始めました。その足取りは、どこか跳ねているように見えなくもありません。パパは取るもとりあえず後を追い始めます。はじめはゆっくり、最初のめまいが収まるにつれ、次第に速く。
「ほら1コあった!」、バニーが声を挙げます。パパはその場所でしゃがんで見回すと、エッグを見つけました。エッグをポケットに入れると、すでに次に向かい始めていたバニーを追いかけました。
「そこにもう1コ!やったね!」。
二人のエッグ集めは続きました。バニーがエッグの場所を示し、パパが拾う。そしてバニーが楽しそうに色とりどりの花びらを宙に撒く。その繰り返し。
そうしてついに、二人は野原の端へとたどり着きます。突然足を止めたバニーが、集めたエッグは何個になるか尋ねてきました。数を確かめようとポケットに手を伸ばしかけたとき、パパは全身の力が抜け、そのまま倒れてしまいました。また目の前が暗くなっていきます。そして不思議な野原も、バニーも、霞のようにかき消えていきました。
さらにしばらく後…
「パパ?パパ?ねえ聞こえる?」、サマーが呼びかけています。
サマーはパパに覆いかぶさるようにして、顔を覗き込みました。やがて、突然謎のエネルギーを注入されたかのようにパパの体がびくっと跳ねると、パパはうっすらと目を開け、ぼんやりした瞳で、心配そうな顔の娘を見上げました。
「バニーは…どこに行った?」、パパが尋ねます。
サマーはママを振り返り、 二人は無言で目を合わせました。
「バニーなんていないわ」、そうママが答えました。
ママは、パパの倒れた姿に涙を浮かべるニコラスを抱きかかえています。
「僕は大丈夫だ。心配ない」、体を起こしながらパパが告げました。
「ねぇパパ、何があったの?」、サマーが聞いてきました。
パパは、自分のチリチリになった髪の毛を指で確かめながら、雷に打たれたことを説明しました。そして口を閉じ、庭をじっと見つめ続けました。あのバニーは本物だったはず。夢を見ていたなんて考えられません。何かを思い出したかのように、パパはポケットをまさぐり始めました。
「ほら、ウソなんかじゃないだろう?」、そう言ったパパの手には、エッグが1つ載せられていたのです。
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(※)プレイには「The Sims 4」ゲーム本編(別売)と、すべてのゲームアップデートの適用が必要です。本パックの必要動作環境をご確認ください。