Climateファミリーに会おう
「The Sims 4」を舞台にしたシリーズ第4回!
「The Sims 4 Seasons Expansion Pack」(※)の提供でお送りする“Climateファミリーに会おう”、第4回。「Seasons」拡張パックはPC・Macでただいま好評発売中です。
サマーは逃げ出すように裏庭のテラスから家族用のプールへと飛び込みました。生き返ったような心地がします。頭まで水に潜れば、外の音は何一つ聞こえてきません。それは、うるさい日常から切り離された、つかの間の平和。
ティーンの日常も楽ではありません。両親は片時も休まず口を出してきます。「成績はどうなの?」、 「勉強しないと良い仕事につけないんだから」に始まり、 「ビリーとデートするのは感心しないな」、これはパパ。「アマンダちゃんはどうしてる?まだ友達なんでしょう?」、こっちはママ。もう四六時中!気が休まる暇もありません。
そして弟のニコラス。はぁ…。サマーは水から顔を出し、深呼吸しました。少ししみるプールの水を目からぬぐうと、急に音と景色が鮮明になって、外の世界とのつながりが取り戻されます。パパがお気に入りの養蜂箱で蜂たちと仲良くしようと試みていました。あちこち赤く腫れあがった様子を見ると、試みは失敗です。
「痛てて!おとなしくしろ!」。
「カッコわる…」、サマーは思わず口に出してしまいました。
「余計なお世話だ。飼い主はこっちなんだぞ」。
「言葉が通じるわけないのに」。
別の意味で関心を引いて、激高する蜂たちにまとわりつかれでしまったパパは、釈然としない様子で養蜂スーツを探しに立ち去りました。自分に群がる暇があるなら、庭の草木の受粉にでも励んでほしいところです。
裏庭の反対側では、ママ、ジャニーンがニコラスを子供用プールに入れています。サマーにはありがたいことに、ニコラスはまだ大きなプールでは泳げません。弟がこちらのプールに現れだしたら、せっかくのくつろぎの場はきっと台無にされるでしょう。
弟は自分よりずっと甘やかされています。自分が子供の時には、部屋を片付けなさいといつも叱られていました。ちゃんとお手伝いをしなさい。悪い成績は許しません。けれどニコラスは違います。小さな弟は何だって聞いてもらえるのです。あんなわがままで横暴なのに!
パパが養蜂スーツで全身の守りを固めて戻ってきました。正直に言って、すごく間抜けな見た目です。サマーはあきれた顔を隠せませんでした。
「まいったな。なんて暑いんだこのスーツ!」、パパが思わず叫んでいます。
「見た目もすっごく間抜け」、サマーは辛辣に言い放ちました。
「なんなんだ。最近、いつも機嫌が悪いじゃないか。前は蜂の世話も手伝ってくれたのに」。
「なんでもいい」。
サマーはふて腐れた顔で家の中に戻りました。廊下から部屋までしずくをポタポタ垂らしながら。そしてベッドに体を投げだします。誰にも邪魔されないように、ドアはバタンと閉め、大きな音で音楽を鳴らしました。
「サマー!晩ごはんができたわよ!」。
ママの声がいつもより柔らかい感じがしますが、その程度で機嫌を直すわけにはいきません。
「知らない」。
「ほらサマー、 今日はお前の好物を作ったんだ」。
パパまで加わっています。ずるい手で彼女のご機嫌を取る気に違いありません。いつだって、ずるい手ばかり。
「おねえちゃん、もうみんなまってるよ?」。
「しーっ」、両親があわててニコラスの口を塞いでいます。ニコラスが珍しく呼びかけてくるなんてどうして?気になって、ふて腐れている気分でもなくなったサマーは、水着から着替え、足早に階段を下りました。
「サプライズ!!!」。
思わず呆気に取られてしまうような歓迎でした。重ねられた声の大きさ以上に、居間でサマーの友達全員が水着を着て待っていたことに驚いてしまったのです。
「誕生日おめでとう、サマー」。いたずらが成功したかのようにパパが笑っています。「ハニーケーキを作って、お前の友達を全員呼んでお祝いすることにしたんだ」。
「けど…いつの間に?」。サマーの頭の中はもう真っ白です。
「1週間前にジャニーンおばさんから話があったんだ」。一番の親友のジュディが答えてくれました。「ねえ、泳ごうよ!」。
パパがステレオを付けると、サマーのお気に入りの曲が流れてきます。日も傾き、夏の暑さも少し和らいできた時間帯ですが、十代の子供たちの群れは、そんなことお構いなしの元気を振りまきながらプールへと突撃していきました。
友達を追って駆け出そうとしたとき、ママが腕を掴んでサマーを引き留めました。
「あなたの思っている通り、パパとママはこのところニコラスにかかり切りだったわ。ニコラスはまだ手間がかかる年頃なの。でも、あなたは何もかも本当によくしてくれている。私たちの自慢の娘よ」。
サマーは全身でママに抱き着きました。
「いいアイデアだったろ?」、そう言うパパは、片方の手にフライ返しを、もう片方の手にパティの皿を持って、グリルでバーガーを焼き始めようとしています。
「今日だけはね。今日だけは正直に言ってすごく素敵な思い付き。ありがとう!」。
そう言ってサマーは輝くような笑顔を浮かべると、友達たちのもとへと走っていきました。
以上、Climateファミリーの四季をめぐる一年、お付き合いありがとうございました!「The Sims 4」フォーラムのチェック、TwitterとInstagramでのフォロー、Facebookでの「いいね」、YouTubeでのチャンネル登録もお忘れなく!ザ・シムズの最新情報、スペシャルオファー、その他のEA製品、ニュース、イベント、セールなどの情報が満載の「The Sims 4」ニュースレターに登録して、無料特典「死神の不吉なギター」をお受け取りください!
(※)プレイには「The Sims 4」ゲーム本編(別売)と、すべてのゲームアップデートの適用が必要です。本パックの必要動作環境をご確認ください。